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避妊手術 当院のこだわり「一生に一回の手術だから…安さや速さではなく、“安心とやさしさ”を。」2024.08.07

高品質

手術器具、麻酔装置など設備に充分な備えあり。
縫合糸にも高品質製品を使用。
広くて清潔な手術室で行う為、術後の抗生物質は基本的に必要なし。

安全性

しっかりと術前検査を実施。
超小型犬や高齢犬は特に詳しく調べます。
短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズなど)の覚醒直後は、ICUに入っていただきます。

動物たちへの配慮

複数のスタッフが連携して進め、術後は元気に立ち上がれるようになるまで、しっかりと観察・看護を行います。
特に小型犬の場合、絶食時間を短くするため、回復後は可能な限り早めに食事をとってもらいます。
術後はエリザベスカラーだけではなく、術後服や皮内縫合による抜糸なしの対応も可能です。(要相談)

去勢避妊手術は一般的ですが、お預かりしている1泊2日の間、「実際どんな流れで進んでいるのか…」飼い主様はとてもご心配でしょう。

手術自体の手順はお見せできませんが、避妊手術・去勢手術の1日の様子をご紹介いたします。

(※摘出した臓器の画像があります。)

■犬の避妊手術の1日
■犬の去勢手術の1日

▼犬の避妊手術の1日

お預かり

手術予約の方は早めにお呼びします。
手術予約日の当日、朝9時30分までに絶食でご来院いただき、同意書にご記入ください。

手術日も安心した表情です。

術前検査・血管確保

麻酔や手術を安全に行うための「術前検査」、「血管確保」を行います。
特に怖がってパニックになってしまうような子は、先に軽く鎮静剤を投与することで、恐怖心を最小に抑えて実施します。

手術時間が午後の場合は、静かな入院室で待機してもらいます。

(ちょっと緊張する・・・)

麻酔薬の投与

留置針により確保した血管から、鎮静薬、鎮痛薬、麻酔薬を投与します。
投与に痛みや苦痛は無く、数分以内に脱力し麻酔状態となります。

獣医師は気管挿管を行い、確実な気道確保、酸素吸入、必要に応じた呼吸補助を行います。動物看護師は獣医師補助の他、心電図、パルスオキシメーター、血圧、体温等の測定を開始します。

こまやかな動物の状態把握と円滑な準備は、安全な手術につながるため、麻酔管理や手術には多くのスタッフが連携し、チームで行うようにしています。
安定した全身麻酔状態が得られたら、術野を剃毛、消毒し、手術を実施します。

剃毛、消毒が終わった状態です。

手術完了

出血はほとんど起こらずに手術が終わりました。

当院では、半導体レーザー、電気メス、超音波メス、止血クリップ等、多様な止血凝固システムを備えており、1㎏前後の超小型犬、70㎏クラスの超大型犬、肥満犬まで、出血無く手術可能です。

また、一定期間体内に残る縫合糸には、アレルギーが起こりにくく、操作信頼性の高い高品質な針付き吸収糸を使用しています。

今回は卵巣子宮摘出のほかに、残存乳歯の抜歯も行いました。
小型犬はこの程度の切開となります。

右上顎犬歯乳歯を抜歯した痕です。

摘出卵巣および子宮、抜歯した乳歯です。

術後

麻酔から覚めたら、鎮痛剤や鎮静剤を使いながら術後30分~1時間ほどかけて普段の状態に戻ってきます。
翌日、最終の体調チェックを行い、退院です。

帰宅後は、ほとんどの子が翌日からいつも通りご飯を食べたり、お散歩したりすることができます。
術後は、傷を舐めないようにエリザベスカラーや術後服を装着していただきます。
初めてで心配な飼い主様もおられるかと思いますが、多くの場合、一晩で慣れてくれます。

カラーをしたままでも食事可能です。

(早くお迎えに来てくれないかな~。)

抜糸

7~10日後にご来院いただき、抜糸を行います。(抜糸はすぐに終わります)

抜糸後は、エリザベスカラーや術後服は取っていただいて大丈夫ですが、シャンプーは2-3日控えるようにして下さい。

抜糸前と抜糸後の経過です。

<抜糸前>

<抜糸後>

抜糸の様子をお伝えしましたが、抜糸の必要がない皮内縫合を実施することも可能です。
舐めないようにエリザベスカラーや術後服が必要ですが、術後1週間の再診の際は傷口の確認のみを行います。

<皮内縫合1週間後>

術後1週間とは思えないほどの見た目です。

また、術後は太りやすくなる場合が多いので、食事管理に注意しましょう。

抜糸はほとんど嫌がらず、あっという間に終了しました。
お疲れさまでした。