動物病院の特徴と選び方 数ある中から安心できる病院を見つける方法とは?2026.01.26

犬や猫などのペットとの暮らしでは、突然の体調不良やワクチン接種などで動物病院を受診する機会があります。しかし、身近にたくさんある動物病院の中から、どこを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
人間の病院と違い、動物病院は費用や診療内容が病院ごとに異なるため、大切な家族であるペットを安心して任せられる病院を見つけることが重要です。
そこで今回は、動物病院の選び方のポイントや動物病院の種類と特徴などを詳しくご紹介します。
動物病院の選び方のポイント
ペットが体調を崩したりケガをしたりなどで受診する際に、慌てて動物病院を探すのではなく、ふだんから自分やペットに合った病院を見つけておくことが大切です。ワクチンや定期的な健康診断などで訪れる機会を利用して、周辺にどのような病院があるのかをチェックしておくことをお勧めします。
ここでは病院選びの際に注目すべきポイントをご紹介しますが、これをもとに一度実際に受診してみることをお勧めします。昨今、インターネット、SNS、YouTubeなどを利用した病院の広告も多数見受けられます。病院からの告知だけではなく、グーグルマップなどの口コミや、散歩で交流する他の飼い主さんによる評判など、生の声が重要です。
自宅からの距離が近い
自宅から無理なく通える距離にある動物病院の選び方をおすすめします。自宅からの距離が近ければ、ワクチン接種や健康診断など、定期的な通院も負担なく行えます。犬や猫は移動そのものがストレスになることも多く、遠方の病院では移動時間で疲れてしまうことがあります。
さらに、「体調不良」や「シニア期」のペットを連れての受診は、飼い主にとっても大きな負担です。
通院の際は、車や公共交通機関などの移動手段も考慮しましょう。定期的な通院が必要な場合でも、ペットにとっても飼主様にとっても無理なく行ける距離感を基準にした選び方をおすすめします。
診療時間・診察できる曜日
動物病院の選び方で大事にしたいのは、診療時間や診察可能な曜日のチェックです。
仕事や学校などで平日の昼間に通えない場合も少なくありません。そのため、「平日夜の遅い時間帯」や「土日診療の有無」などを事前に確認しておくことが大切です。
仕事が終わってから慌ててペットを連れていくと、ぎりぎりの時間で焦ってしまうこともあります。急いで連れて行ったら受付時間が終わっていたとなれば、飼主様にとってもペットにとっても大きな負担です。事前に診療時間や休診日を確認しておくことで、安心して受診できます。
院内の清潔感、リラックス感

待合室や診察室が綺麗に保たれていることは、見た目の印象はもちろん、感染防止のためにも重要なことです。
たとえば、診察台が汚れたままで次の診察をしている状態は、院内感染のリスクがあります。
また、院内が明るく落ち着いた雰囲気なら、犬や猫、飼主様にとっても待ち時間をリラックスして過ごせます。特に最近では、犬と猫の待合スペースを分けている病院も多くあります。これは一般的に猫が、ほかの動物や人、外の空間を怖がる性質があることによります。
予約システムの導入
予約制かどうかも、動物病院を選び方で見逃せないポイントです。
たとえば、特に予約制ではない病院の場合、混雑状況によって待ち時間が長くなることがあります。長時間待っていると、ペットにとっても大きな負担です。具合の悪いときの長い待ち時間は、飼主様にとっても不安ですよね。
最近では、電話予約だけでなくオンライン予約に対応している病院も増えてきました。オンライン予約は、時間外でも予約が取れたり、事前に症状や希望を伝えたりできる特徴があり便利です。
予約システムの注意点
完全予約制の病院では、よほどの急患でない限り、予約がいっぱいになってしまうことで診察を断られてしまう場合もあります。体調不良は突然起こるもの。多少待ってでもその日のうちに診てもらえる予約制でない病院にもメリットがあると考えられます。病院によっては、一部のみを予約とし、それ以外は随時受け付ける予約優先制のようなシステムをとっている病院もあります。
当院では一定数の予約枠を設けておりますが、予約なしでの外来受付も常に受け付けております。予約診察はとても便利ですが、病気の治療を必要とするすべての動物たちが診療を受けられるよう対応しております。
動物病院の待ち時間が長い理由は?
病院の待ち時間は、短かれば短いほど良いですよね。それでもいざ自分の愛犬、愛猫が病気になったときは、なるべくしっかりと話を聞いてもらい、丁寧に診察をしてもらいたいものですよね。それは患者さんとしてごく自然な感情です。
完全予約制の病院をのぞけば、動物病院の待ち時間は一般的に長いとされています。特に混雑する病院や時間帯では1時間程度、時には2時間を超える待ち時間が発生するケースもあります。システム運用の悪さやスタッフ不足、診療ペースの遅さが原因のこともありますが、急患対応や診察のきめ細かさ、十分なインフォームドコンセントが行われるなどの対応が影響していることもあり、それゆえに待ち時間が長くなっている場合もあります。待ち時間が長くてもたくさんの患者さんが通院している病院は、それに見合う価値を提供している評判の良い病院であるともいえるかもしれません。そんな中で、少しでも待ち時間が短くなるよう努力をしている病院が多くあるのです。
費用の明確さと安心感
動物病院は人の病院と異なり、自由診療です。そのため、診察内容や治療内容が同じでも、病院によって医療費は異なります。
支払いの際に、領収書に処置内容や薬の名称、数量などがきちんと記載されていると安心です。病院への信頼にも関わる大切なポイントと言えるでしょう。
また、費用について質問したときに、分かりやすく説明してもらえるか、質問しやすい雰囲気があるかどうかも確認しておきたい点です。
話しやすさ・説明の分かりやすさ

動物は言葉を話せないため、自分で症状を伝えることができません。そのため、動物病院では飼い主からの聞き取りが非常に重要です。家での様子や普段との違いなどを丁寧にヒアリングすることで、診察や治療に役立てることができます。そのため「話しやすさ」も動物病院の選び方で大切なポイントです。
また、治療が始まる際には、治療方針をわかりやすく丁寧に説明してくれるかどうかも確認したい点です。飼主様はペットの病状に不安を抱き、細かい点まで質問したくなるもの。そんなときでも親身になって対応してくれるか、話しやすい病院かどうかは、長く通ううえで非常に重要です。
獣医師の人数もチェックポイント
獣医師が1人の病院と、複数の獣医師が在籍している病院があります。
獣医師が1人の病院の場合、その先生との相性が良い場合や、その病気に対する治療が得意な先生であった場合は特に良いといえるでしょう。その病院がある限り、その先生に生涯お世話になることができ、まさしくホームドクターとして良い関係が築けるはずです。
しかし診察に不安を感じた際は、セカンドオピニオンとして別の病院への受診を検討することとなるでしょう。また診察件数が増えると、1つの診察に充分な時間をかけられない可能性があるかもしれません。
複数の獣医師がいる場合、それぞれの専門性が異なり、難しい症例でも院内でチームとして対応してもらえる特徴があります。動物が高齢になると、慢性疾患をいくつも抱えることがあります。複数の獣医師がいれば、同じ病院内で意見を出し合いながら診てもらえる安心感が特徴です。また、見落としを防ぎやすい点も大きなメリットです。複数いる先生の中で、相性の良い先生が見つかる可能性も高まるでしょう。
しかし、獣医師が複数在籍する大きな病院の場合、スタッフの入れ替わりが激しく、数年で先生が辞めてしまう様なケースも少なくありません。どの先生に診てもらっても安心できる病院かどうかがポイントになります。
動物病院の種類と特徴について
動物病院にはいくつかの種類があります。ふだん定期的に通うかかりつけ医をはじめ、緊急時や専門的な治療を受ける病院ではそれぞれに特徴も異なっています。
次に代表的な動物病院の種類と特徴について紹介します。
かかりつけ医~何かあったときに気軽に相談できる存在
かかりつけ医とは、日常的に通える、もっとも身近な動物病院です。体調不良や気になることがあったときに心強い存在です。
健康診断や予防接種などで継続的に通うことで、ペットの健康状態を把握してもらいやすくなります。これまでの診察内容や治療経過、体重の変化、処方された薬などの情報がカルテに残っているため、ちょっとした変化にも気づきやすく、相談できるのが特徴です。
カルテの履歴をもとに診察することで、病気の早期発見につながることもあります。
夜間病院・救急病院~夜間や休日の緊急時に頼れる存在
夜間病院や救急病院は、夜間や休日など、かかりつけの動物病院が診療していない時間帯に対応してもらえる病院です。
急な体調悪化や大きなケガ、苦しそうな呼吸、けいれんや意識障害などの緊急性の高い症状はすぐに受診したほうがよいケースもあります。そんなときに心強い存在となります。
また、誤飲・誤食、事故、高所からの落下などの「様子見していいか判断に迷う状況」でも相談できます。病院によっては応急処置や緊急手術もしてもらえるため、万が一に備えて、自宅から行ける範囲内に夜間病院や救急病院を調べておくと安心です。
専門病院
専門病院は「皮膚科」や「循環器科」など、特定の診療分野に特化している動物病院です。
一般的な動物病院では対応が難しい症状もあり、専門病院なら専門的な視点から検査や治療を行ってもらえます。
かかりつけ医が、より専門的な治療が必要と判断し、専門病院を紹介するケースも少なくありません。専門知識や高度な医療機器により、病状に応じた細やかな治療を受けられるのが大きな特徴です。
大学附属病院や二次診療施設
大学附属病院や二次診療施設は、一般的な動物病院よりも高度な医療機器や設備を備えているのが特徴で、そのほとんどがかかりつけ医からの紹介を通して受診する病院です。
CTやMRIといった精密検査機器を有しており、一般的な動物病院ではできないような詳しい検査が必要な場合に心強い存在となります。
また、診療科目が複数あるため、それぞれの分野が連携した診察も可能です。難しい症例や高度な治療を必要としているケースに、かかりつけ医から紹介されて受診することが多いです。
かかりつけ医の動物病院を持った方がいい理由とは?

かかりつけ医の存在は、飼主様にとってもペットにとっても大きな安心につながります。
大切なペットが体調を崩したときは飼主様も不安ですよね。そんなときに慌てて病院を探すのではなく、日頃から信頼できる動物病院を見つめておくことは大切です。
カルテで診療履歴や医療情報を管理してもらえる
かかりつけ医がいれば、定期的に通院することで過去の診察・治療内容がカルテに記録されます。体重や血液の数値の変化、飼主様から聞き取りした日頃の様子なども把握してもらえるため、それらをふまえた診療が可能です。
複数の病院をその都度利用する場合、「前に使った薬は何だったか」「あの症状はいつ出たか」など、飼主自身も曖昧な状態で診察してしまうかもしれません。それが無駄な検査や投薬につながるケースもあります。
かかりつけ医として動物病院を選んでおくことで、過去の情報を管理してもらうことができ、安全で適切な治療につなげられるでしょう。病気の早期発見や治療の効率化にも大きく役立ちます。
いざというときに相談しやすい
かかりつけ医がいれば、カルテによりこれまでの診察内容や治療経過を把握してもらうことができます。急な体調不良が起きた際でも状況を説明しやすく、小さな疑問も相談できます。
専門的な治療が必要な場合には専門病院や高度医療機関への紹介も行ってもらえるでしょう。
また、定期的に通うことで獣医師やスタッフとの会話も増え、信頼関係を築くことができます。初めて行く動物病院は、飼主様もペットも緊張しますよね。通い慣れたかかりつけ病院なら、ペットもリラックスして受診でき、飼主様の不安も軽減できるでしょう。
まとめ
今回は動物病院の種類と特徴をいくつかご紹介しました。動物病院の選び方に正解はありませんが、近くの病院であれば通院の負担も少なく、安心して利用できます。
受診するとき、移動時間や待ち時間、診察そのものが犬や猫にとってストレスとなることは多く、飼主様にとっても負担です。そのため、日頃から気軽に通えて相談しやすい、かかりつけ医を決めておくことが大切です。
かかりつけ医がいれば、体調不良時だけでなく、ワクチン接種や健康診断でも通えて、カルテに健康状態を記録してもらえるメリットもあります。
また、夜間や休日の緊急時に備えて、夜間病院や救急病院を確認しておくことも安心です。言葉を話せないペットだからこそ、日頃から信頼できる病院を選び、健康管理を行えるようにしましょう。

竹原 秀行
竹原獣医科院 院長
所属:比較眼科学会
| 2019年~ | 川崎市獣医師会 | 顧問 |
| 2011年~2019年 | 川崎市獣医師会 | 会長 |
| 2009年~2011年 | 日本小動物獣医師会 | 理事 |




